+― think tenderly of・・・ ―+





手が触れて、
唇が触れて、
心が震える―

彼の目が私を見つめる、その瞳に映る私がバルフレアを見ていた―

男なのに、いやきっと男だからか、目の前の彼の表情は艶かしくて。




「、、、色っぽい・・顔、してる」


「お前を誘ってるからな」

「もう十分・・」

「喋れる余裕があるならまだだろ?」

「そう、かしら」

長く続いている口付けで足は震えているのにそれでも「まだ」って言う。
言葉を口にしたのも本当は自分の意識を保つ為なのに結局彼を煽らせただけで―


「。。ッぅ。。。ん」

強い口付けが上から注がれる。耐えられず体が下に降りていきそうになれば今度は下から押し上げるようにキスをする。
離れたと思えば下唇を甘噛されて声が漏れればバルフレアは小さく笑みを浮かべた。

「どうした・・?」

「・・・・・・」

は少し潤んだ瞳をバルフレアに向け彼の肩に頭を擡げて息を吐いた。
ゆっくりとの背と足に腕を伸ばし抱きあげると、彼女の腕が力なく首に回されそれを確認して歩き出す。




目の前にあるバルフレアの首筋―

最後の抵抗と言わんばかりには唇をつけ軽く歯を立てる。
そして自分の証を残すようにそこに吸い付き赤い痕をつけた。



「私の勝ち、、、」

「最後まで分からないさ」

寝台の上にバルフレアが座りその膝の上に乗せられ見つめ合う二人。
恥ずかしさもあるのに逸らせなくて、余計に身体が熱くなる。
唇が彼の名を呼ぼうと動かした時、指先でそれを遮られた。

「・・・喋るな」

指の替わりに唇――言葉の代わりに吐息が漏れる。

「ふっ・・・・・・・はぁ・・・」

時折奔る痺れるような甘い痛みに息が止まりそうになりながら、瞼を閉じて互いの存在を身体だけで感じた。バルフレアはの身体のラインをなぞる様に手を滑らせてゆく。背筋を下から上へと指先で移動させれば掴んでいた彼女の手に力が入った。

「。。。ッ・・・あ」

首元を通り過ぎ髪の間に手を割り込ませ、そっと耳をなぞると一層淡い声を漏らす
小さく口付けて指先を首筋に沿って下ろしてゆき鎖骨を辿る。
しかしそこで一度止められ、また動き出した指先はの身体の中心を割くように胸の膨らみには触れずその間を通っていくだけ。
じらすようにそのまま動き続ける指が腰の辺りで止まるとバルフレアは口付けをしたまま自分との上着を取りさった。

露になるの白い肌、胸元にあるペンダントが邪魔に見えるほどに綺麗で。
指先で周りをなぞり今度は彼の掌が直接の肌に触れる。
温かく柔らかな肌を愛おしむ様に口付け赤い痕をつくればその度に彼女の身体は反応してみせた。

「はぁ、、、、、っん」

が倒れないように片方の手で背中を支え、もう片方の掌はの柔らかな胸に触れ、手で押し上げ膨らみの淵を舌先でなぞり徐々に頂へと近づき触れるか触れないかの距離でまたじらすように止まる。が反応し目を開けようとするだろうタイミングで一気にそれを口に含むとビクリと撥ねる体―


「っあぁ・・!」

強い刺激が背中に奔り、バルフレアの触れている場所全てに意識が向いてしまう。
舌と手で愛撫され息が荒くなっているのに強弱をつけて続く行為に意識が薄れる―
追い討ちをかけるように口で胸を舐め、そこにあった筈の手は太股を撫で付けてくるのだ。
外側をスゥーとそして膝で折り返すように今度は内腿をゆっくりと。
半分までくるとまた戻り、それ以上は進まず往復させる。


「はぁ、、あっ」

そうされればそうされるほど自分の体は声をあげ無意識に足がピクンと反応している。
体の表ばかりに気をとられていると背を支える手が降ろされ後ろから服の間に入ってゆく。

「っあ」

バルフレアは離れようとしたを自分側に引き寄せ、目の前のその白い肩を優しく噛んだ。

「んん!」

篭った声で反応を返す。必死に声をあげまいと耐えているのか手にしているシーツには強く皺がよっていた。
動きをやめないバルフレアの手によって纏っているもの全てを剥ぎ取られ、一糸纏わぬ姿の。白い肌に流れ落ちている髪が窓から入る月に照らされ淡く輝やいていた。

どうせ照らすなら快楽に歪むの顔が見たい―そう思い太股を撫でていた掌をゆっくりと彼女の芯へと伸ばしていく。その行き先を察したは躊躇して身体を引こうとするが腰を捉えられバルフレアの指先は彼女の一番敏感な部分に触れた。


「―ぁッッ!」

指先を濡らす愛液に気付いてバルフレアはの耳元で囁く。

「感じやすいんだな」

「はぁ、、、や、、、ッ」

指を動かせば水音が響きの恥辱を煽り、バルフレアを高揚させる。
バルフレアはまた指先だけで彼女の感じる部分を探る。触れているだけなのに体はビクリと強張り、息は荒くなる。溢れ出す蜜は止まらずバルフレアの指を一層濡らしてゆく。

「はぁ。。はぁ・・・・・あぁ・・・ッバル・・・・」


日常では絶対に見れない顔―。ヴァン達には姉として、フラン達には仲間として。
しかし今は俺を求め、俺だけを感じて、快楽を求めている事に自身は気付いてはいないのだろう。ゆっくりと顔を上げとろんとした目をバルフレアにむけた。熱をもった頬が桃色に染まっていた。

彼女の内情を知っているくせにわざとらしく首を傾げてみせるバルフレア。

そしてこっちを向いている隙にバルフレアはの秘部へ優しく指を一本滑り込ませてやった。

「―――ッぁ!!!」

突然の事に目を瞑り耐える
その態度とは裏腹に容易く侵入を許すほどに潤った場所、そこを触れられ今までに無く一層高く甘い声を出しバルフレアの指先を中で強く締め付けた。

「あっ、、、、ッバル・・・やっ。。!」

衝動は突き動かされ指先は動き出す。強く反応した場所を執着なまでに責め立てられの理性を失わせていった。

「はぁ、あっ・・・・お願・・・い、、、もう・・・っぁ!!」

はフルフルと震えながらバルフレアの腕にぎゅっと掴まり唇を彼の肩に押し付け声を洩らさまいと必死に耐えている。ダメと言われれば逆に欲してしまうのが人だから、抑えているその声を聞きたいと思ってしまう。
きっと理性がなくなりかけているのは俺の方だろう――

「堪えるから余計に辛くなるぜ・・・」

「・・・ふっ・・」

「声出せよ、、、、、

キスをしようと近寄り顔を上げさせる。
そして言葉と同時に彼女の中にある指を強く動かした。

「―っぁああ!!」

強い刺激にびくりと身体が跳ね背を反り天上を仰ぐ

生理的な涙を瞳に湛え力なく倒れてきた彼女を口付けと身体で支えて反対に倒してゆく。
艶かしい表情と声、指先の熱い場所。それを欲してしまう自分―
もはや欲望で頭が支配され意識無く自分も服を取り払いの脚の間に自分の身体を割り込ませ抱きしめた。

余裕なんて無い―が欲しくて仕方ないんだ


、お前を感じたい」

私はとっくにその想いまで来ているのに、と思いながら彼の言葉に瞳を閉じてそっと口付けを返した。
そして、それを受け取ったバルフレアはゆっくりとの中へ己を沈めていった。

「っ・・・・はぁ・・・っ――――!!」

狭く熱い彼女の奥。絡み付く液や甘声に誘われ進めば進むほど痺れを伴う快楽の波がバルフレアに押し寄せる。

「。。。っ・・・」

これまで味わった事のない刺激に小さく呻くバルフレア。
酸素が足りなくて耐え切れず口を離せば、彼女は瞳を強く瞑り身体を震わせていた。

に痛みを与えてしまったんだと・・・相手を気遣う余裕すらなく進んでいた事に気付く―

「。。。、、

零れ落ちてゆく涙を唇で消して、そっと頭を撫でてやる。
呼ばれてうっすら瞳を開けバルフレアの顔を見ると、今まで見た事のない表情を浮かべていた彼。心配しているよう、それでいて少し苦しそうで―

「痛い訳じゃ、、、ないの・・・嬉しさとか、色々・・」

掠れかけた声で途切れながら言葉を紡ぐ、その表情が俺の心をきつく縛った――

「愛する人に抱かれて嬉しくて流した涙だから・・・」

そう言って微笑むを瞬すらせず見つめる。そして触れた唇―

「バルフレア・・大好き」


今の空気に流されている訳じゃない―だが、、、、
今まで自分の心にこれほどダイレクトに言葉が響いた事が在っただろうか―?
そう考えて、今更ながら相手に対して自分の気持ちを知るとは思わなくて目を瞑った。

大好きではなくてきっと―---

「愛してるんだ」

だから―−−

あんな嫉妬心剥き出しの言葉や相手を陥れる罠まではって手に入れたいと思ってしまった。
バルフレアは初めて口にしたその言葉に自分で歯がゆさを感じて、何かを喋ろうとしたの口を自分のそれで塞いだ。

肌と心で相手を感じる事がこんなにも心を締め付けるなんて知らなくて・・・
それでも身体は正直に相手を感じたくて動き出す。

「はぁ、あっ・・・バル、フレア・・っぁ!!」

今よりももっと奥まで入りこみ今度は反対に腰を引く。
最初は痛みを伴っていた声だったが、それが次第に甘みを帯びたものへと変わっていった。水音や互いの息が部屋に響き、より一層煽ってゆく。

「はぅ。。。っああ!あ、っ・・・ああっ」

・・・っ」

身体を責め立てる甘く強い刺激。それを創り出すを内でもっと感じたくて、ゆっくりと動きそして今度は一気に強く奥まで突く。

「っ―あああっ!!」

背を浮かせ声を上げる。そうする度に上がってゆく体温との声に徐々に自分自身が高まりはじめていた。そして同じように自分の体に何かを感じた彼女がバルフレアの顔に欲動の手を伸ばしその熱った瞳が俺を見つめその何かを伝えようと口を開く。

「わ、、たし。。。っ・・・あ!。。。バルッ・・・はぁッ」

快楽を求め、その先の何かを求め、彼の動きにあわせて自然に身体が揺れてしまう。
擦りあげてくるバルフレア自身が、の頭の中をまっ白にしていく。
バルフレアは確実にの好む場所を突いて来て、は眩暈がするほどの快楽に襲われ、吐息が漏れそもはや言葉にならない。

それでもは何かを求めるように深く深く口付け、バルフレアはの舌に吸い付き、何も考えられなくなるほどに、離れている箇所などなくなるように全てを彼と接合させた。

次第に早くなる律動は止めることは出来ず、バルフレアは眉間に皺をよせ名前を呼ぶ。

「っ・・・ハァ、・・・・!」

「ハァ、ああっ!・・・好き、、バルフレア・・・・っ、あっ、、や、、ぁあああ!!!!」

高みに昇ったが強くバルフレアを追い詰め、同時に彼の熱い想いを内部に受け入れたのだった。







未だにまどろみから抜け出せないは、バルフレアのキスを力なく受け止めていた。

「大丈夫か・・・?」
そう聞かれふるふると横に首を振ってみせる
「足が震えて部屋に帰れない・・・」
小さく笑いバルフレはまたに唇を落とす。
「心配するな、返す気もない。それに帰りたくないだろ?」

余りにも自信たっぷりに言うバルフレア。それを見てもくすりと笑った。
そして聖母のような微笑と春風の様な柔らかく頬を撫でる指先が、また心に触れた―

「ここに・・・・バルフレアの隣にいてもいい?」

少しの間をおいて返ってきた言葉。少しだけ小さくて、けれど強くて―

「ここはお前の場所だ、お前だけのな」

「―・・・・バルフレア」

指先でそっと彼の唇をなぞる。瞳がまた彼を映し彼の瞳に私が映る―

「私も、バルフレアを愛してる・・・」


それを最後に触れ合った唇は離れず、また互いを求め合った。
きっとこれからはどちらがどちらをどれ程愛しているかなんて比べてしまう程に相手に溺れてしまうのかもしれないとそう思った。

貴方という愛に盲目で、その灯に照らされながら互いに歩んで行けたらどれだけ幸せだろうか―
そう考えて、熱くなる瞳から零れ落ちそうな想いを快楽に乗じて強く閉じた。





END